簿記3級を取得してから数年。
「もう一度簿記を勉強してみようかな」とふと思ったのは、社会人MBAの夢を叶えたいと思ったからでした。
本棚の奥に、3級合格のあとに使おうと思って買っていた2級のテキストを見つけました。
ページをめくるたびに、「なぜあのとき着手できなかったんだろう」と、少し切ない気持ちになりました。
私にとって簿記2級は、“再挑戦の象徴”です。
最初の受験のスコアは目も当てられないものでしたが、
それでもなぜか「続けたらいつか合格できそう」と、不思議と楽観的に思えた自分を覚えています。
なぜ挫折してしまったのかを振り返る
多くの人が簿記の勉強を始めて途中で止まってしまうのは、意志が弱いからではありません。
その理由はもっとシンプルです。
- 忙しくて、勉強時間を確保できなかった
- 理解できない部分を置き去りにしてしまった
- 独学を選んだのに、モチベーションが下がったときに支えてくれる仕組みがなかった
私も同じでした。
「また継続できない自分を嫌になってしまうのでは」と思うと怖くて、再挑戦を先延ばしにしていました。
もう一度始められた、4つのコツ
① 完璧を手放したこと
以前の私は「テキストを最初から最後まで完璧に理解しなければ」と思い込んでいました。
理解できないところがあると、「もしかしてテキストが悪いのかも?」と原因を外に探していたのです。
でも再挑戦のときは、まず「わかるところから始める」ことに決めました。
解説がやさしい『スッキリわかるシリーズ』を選び、最初の1章だけを何度も読む。
キャラクターが猫だったという理由も、少し後押しになりました。
——小さな“やる気のきっかけ”を信じてみることが大事だと感じます。
② 25分の集中タイムで再スタート
再挑戦では、ポモドーロ法(25分集中+5分休憩)を取り入れました。
たった25分でも、積み重ねれば大きな変化になります。
簿記の勉強をしていると、理解できていないのに時間だけが過ぎていくような感覚に陥ることがあります。
そんなとき出会ったのが、書店で見かけた『学び方の学び方』という本。
「今日はたった1問だけ」でもいい。
“短くてもやった”という感覚を毎日積み上げることが、再挑戦の自信になります。
③ 「全然ダメだった」も学びの一部だと気づいた
以前の私は、「点数が足りない=失敗」だと思っていました。
でも、1回目の受験で40点しか取れなかったとき、不思議と「次は合格できるかも」と思えたのです。
一度ダメだったことで、自分と理想の差が明確になりました。
その差を埋める方法を探すこと自体が、すでに学びだと気づいたのです。
原因は性格でも才能でもなく、「取り組み方を変えれば結果も変わる」という確信が生まれました。
それが、次の挑戦への原動力になりました。
④ 勉強の環境を整える
再挑戦を決めたとき、まず取り組んだのは環境の見直しでした。
机の上は、ノートとテキストだけ。余計なものは置かない。
そして何よりも大切にしたのが、「香り」です。
集中したいときはお気に入りのキャンドルを灯して、心を整える。
自分のモチベーションのスイッチを押す“儀式(ritual)”のような習慣を作ることで、自然と勉強モードに入れるようになりました。
ブランクがあっても、再挑戦は遅くない
ブランクがあるからこそ、再挑戦には意味があります。
挫折したはずなのに、なぜか心のどこかで「もう一度やってみたい」と思っているなら、
それは“再び向き合うサイン”かもしれません。
やらなかった後悔は、きっとこの先も続いていきます。
でも、たった1問、たった1分、たった1ページでも進めた自分は、昨日より確実に成長しています。
簿記は単なる資格ではなく、
「自分を信じて積み重ねる力」を取り戻すきっかけになる学びです。
🌿 最後に
もし今、再挑戦を迷っているなら、
まずは机の上にテキストを1冊置いてみてください。
勉強は“意志”ではなく、“環境と習慣”が支えてくれます。
ブランクがあっても、始めようと思ったその瞬間から、
あなたの学びはもう動き出しています。



