社会人MBAで後悔する人とは?|価値あるものにするために入学前に知っておきたいこと

後悔のない社会人MBA

「社会人MBAに興味はあるけれど、後悔しないだろうか」

「高い学費と貴重な時間をかけて、意味がなかったら怖い」

「転職やキャリアアップなど、その先につながらなかったらどうしよう」

MBAを検討していると、こうした不安を感じる人は少なくないと思います。

私自身も、社会人MBAに進学する前には、「本当にそこまでして行く価値があるのか」と考えました。

仕事をしながら学ぶなら、時間も必要です。

学費も決して安くありません。

家庭があれば、家族にも少なからず影響があります。

だからこそ、「失敗したくない」「できれば後悔したくない」と思うのは当然です。

結論から言うと、私は社会人MBAに誰にとっても一律に約束された価値があるとは思っていません。

MBAに行けば必ずキャリアアップできるわけでもありません。

年収が上がるとも限りません。

人生の方向性が突然見つかるわけでもありません。

では、後悔する人と、そうでない人の違いはどこにあるのでしょうか。

実際にMBAで学び、修了して振り返ってみると、大学選び以上に大きいのは、

「MBAに何を期待しているのか」

ではないかと思っています。

この記事では、私自身の経験も交えながら、社会人MBAで後悔しやすい人の特徴と、入学前に考えておきたいことについて書いてみます。


社会人MBAで後悔する人に共通するのは「期待の置き方」

「社会人MBAには価値があるのか」

MBAを検討すると、ついこの問いから考えたくなります。

けれど、私は今では、少し問いを変えた方がいいと思っています。

「MBAに価値があるか」ではなく、

「自分はMBAから何を得たいのか」

です。

何を知りたいのか。

何を吸収したいのか。

なぜ今、MBAなのか。

そして、修了後の自分に何を期待しているのか。

ここが曖昧なまま入学すると、

「思っていたのと違った」

「こんなはずではなかった」

と感じやすくなります。

逆に、入学前の目的が途中で変わったとしても、自分なりに問いを持って学んでいる人は、得られるものを見つけやすいように思います。

社会人MBAの満足度は、学校側から「与えられる価値」だけではなく、こちらが何を持ち込むかによっても大きく変わります。

1.「MBAを取れば何者かになれる」と思っている人

まず、MBAという学位そのものに大きな期待を置きすぎると、後悔しやすいと思います。

たとえば、

  • MBAを取れば会社から評価される
  • 転職市場で有利になる
  • 年収が上がる
  • キャリアの選択肢が自動的に広がる

こうした期待です。

もちろん、MBAがキャリアにプラスに働く場合もあるでしょう。

ただし、それが全員に保証されているわけではありません。

私の周囲にも、学業に専念するために仕事を辞め、学生生活一本に絞ってMBAに取り組んでいる人がいました。

その選択そのものを後悔しているようには見えませんでした。

一方で、学友から修了後の転職活動では、「MBAを持っていること」以上に、それまで何をしてきたのか、どんな専門性を持っているのかを問われたという話も聞きました。

これは、実際に学んでみて私自身も感じたことです。

MBAでは、会計、ファイナンス、マーケティング、戦略、組織など、経営について幅広く学びます。

しかし、それは必ずしも一つの専門領域を深く掘り下げることと同じではありません。

研究者として専門を深めていく道は別として、一般的なMBA教育では、

「経営を広く見る力」

を身につけることの方が中心になります。

だからこそ、MBAは自分を何者かに変えてくれる魔法の資格ではありません。

むしろ、

自分は何を考え、何をできる人なのかを、改めて問い直す場所

なのだと思います。

2.「正解を教えてもらえる」と思っている人

資格試験には、多くの場合、正解があります。

知識を覚え、問題を解き、正しい答えを選ぶ。

しかし、MBAはそれとはかなり違います。

講義やケースディスカッションでは、

「なぜそう考えるのか」

「その前提は本当に正しいのか」

「別の見方はできないのか」

「誰の立場から見た答えなのか」

といったことを問われます。

経営には、数学のように一つだけの正解があるとは限りません。

同じ企業を分析していても、戦略の観点から見る人、財務から見る人、組織から見る人で意見が変わります。

だからこそ、ただ先生から「正しい答え」を教えてもらおうとすると、物足りなく感じることがあります。

むしろ求められるのは、

自分なりの意見を持つこと。

そして、その意見を他者の考えとぶつけながら、修正していくことです。

「間違いたくない」

「正解を教えてほしい」

という気持ちが強い人にとっては、少し居心地が悪いかもしれません。

反対に、

「自分で考えることが好き」

「答えが一つではないことを面白いと思える」

という人には、MBAの学びはかなり刺激的だと思います。

3.「忙しくても何とかなる」と負担を軽く見ている人

MBAは、想像以上に時間を使います。

仕事。

授業。

予習と復習。

レポート。

グループワーク。

研究。

そして家庭。

働きながら通う場合、これらを同時に回していく必要があります。

私自身、在学中には体調を崩すことが何度かありました。

もともと負担を軽視していたつもりはありません。

それでも、実際に経験してみると、「思っていた以上だった」と感じる場面は多くありました。

特に、体調を崩すとすべてが一気に崩れます。

仕事も思うように進まない。

授業の準備もできない。

家庭にも余裕を持てない。

そして、自分が何のために頑張っていたのかさえ見失いそうになる。

そこで改めて感じたのが、

健康は、何より重要な資産だということです。

学位を取るために身体を壊してしまっては、本末転倒です。

MBAへの進学を考えるときには、「授業の曜日」や「学費」だけでなく、

自分の生活に、本当に学ぶという時間と労力をつくる余裕があるのか

まで考えておいた方がいいと思います。

仕事とMBAの両立については、別の記事でも詳しく書いています👇

社会人MBAと仕事の両立はきつい?働きながら通ってわかった現実と続けるコツ – Reno Journal – 学びと選択と私。

4.「今の仕事や人生から逃げるため」に入る人

これは少し難しいテーマです。

今の会社が嫌。

キャリアが不安。

自分に自信がない。

何かを変えたい。

そんな気持ちからMBAを考える人もいると思います。

そして私は、それ自体が悪いとは思いません。

なぜなら、私自身もMBAをある意味では「逃げ」として使っていた部分があるからです。

当時の私は、職場環境に疲れていました。

「会社員を辞めたい」

そう思う気持ちもありました。

ただ、何も考えずに辞めてしまうのではなく、その前に、

「そもそも会社とは何なのだろう」

「組織とはどういうものなのだろう」

「なぜ会社では、こういうことが起きるのだろう」

ということを学びたいと思いました。

経営や組織について総合的に学ぶのであれば、MBAは以前から興味のあった道でした。

せっかくなら挑戦してみよう。

そう考えて入学しました。

だから、私の入学動機も決して「前向きなキャリアアップ」だけではありません。

人によっては、逃げだと感じるかもしれません。

でも、今はこう思います。

問題なのは、「逃げたこと」そのものではありません。

MBAに入れば、今抱えている問題が全部解決すると思ってしまうこと。

MBAに進学しても、人生の問題そのものが消えるわけではありません。

会社を変えても、環境を変えても、自分自身と向き合わなければならないことは残ります。

ただ、少し場所を変えることで、自分の状況を違う角度から見ることはできます。

私にとってMBAは、「答えをくれた場所」ではなく、

自分が何に違和感を持っていたのかを、考え直す場所

だったのだと思います。

5.「学位取得がゴール」になっている人

もちろん、MBAという学位を取得すること自体を目標にするのも一つの考え方です。

ただ、学位だけをゴールにしてしまうと、修了した瞬間に、

「それで、これからどうするのだろう」

という空白が生まれることがあります。

MBAで重要なのは、

何を学んだか。

だけではありません。

学んだことをどう使うのか。

仕事にどうつなげるのか。

自分の意思決定にどう反映するのか。

そこまで考えて初めて、学びが自分のものになるのだと思います。

在学中には、学位を取ることそのものを最優先にしているように見える人もいました。

それを見て、私は逆に、

「私は何のためにここにいるのだろう」

と考えることがありました。

授業に出る。

単位を取る。

論文を書く。

そして修了する。

もちろん、それらは必要です。

でも、それだけなら、MBAでなくてもよかったのではないか。

私はそう考えるようになりました。

資格についても以前、

「資格は取るより資産にする」

という記事を書きました👇

資格は取るより資産にする|社会人の学び直しを人生に残す3つの考え方 – Reno Journal – 学びと選択と私。

MBAも同じだと思います。

学位を持っていることより、

そこで得た知識や考え方を、その後どう使うのか。

そこに本当の価値があるのではないでしょうか。

では、どんな人なら社会人MBAを後悔しにくいのか

ここまで「後悔しやすい人」について書きました。

では反対に、どんな人がMBAに向いているのでしょうか。

私は、次のような人だと思います。

  • 学びたいテーマが比較的はっきりしている
  • そのテーマをMBAで学ぶ理由がある
  • 自分の見識を体系的に広げたい
  • 異なる業界や価値観の人と議論してみたい
  • 正解よりも、考え方を身につけたい
  • 自分のキャリアを一度立ち止まって考えたい

特に大切なのは、

「何を得られるか」だけではなく、「何を考えたいか」を持っていること。

だと思います。

入学した時点で、明確なキャリアプランが完成している必要はありません。

私自身もそうでした。

むしろ、学びながら自分の興味・関心が変わることもあります。

知らなかった分野に面白さを感じることもあります。

だから、答えを持っている必要はない。

ただし、

問いは持っていた方がいい。

それがMBAで得られるものを、かなり変えると思います。


社会人MBAに入る前に考えておきたい3つの質問

MBAを検討しているなら、一度紙に書き出してみてほしい質問があります。

1.なぜMBAなのか

経営を学ぶ方法は、MBAだけではありません。

本を読む。

オンライン講座を受ける。

資格を取る。

仕事の中で経験を積む。

さまざまな方法があります。

その中で、なぜMBAなのでしょうか。

2.修了したとき、何が変わっていてほしいのか

年収でしょうか。

仕事でしょうか。

知識でしょうか。

考え方でしょうか。

人とのつながりでしょうか。

明確な答えがなくても構いません。

でも、自分が何を期待しているのかを知っておくだけで、学校選びも学び方も変わります。

3.MBAで得たいものは、ほかの方法では得られないのか

これは意外と大切な問いです。

もし目的が会計知識なら、資格学習でもいいかもしれません。

転職だけが目的なら、実務経験を積む方が早い場合もあります。

ただ、

異なる人と議論したい。

複数の分野を横断して考えたい。

一定期間、経営について集中的に考えたい。

そう思うのであれば、MBAという環境には意味があります。

この3つを考えたうえで、それでも「行きたい」と思うのであれば、その気持ちはかなり信頼できるものではないでしょうか。


まとめ|MBAの価値は「何を期待するか」で変わる

社会人MBAで後悔するかどうかは、MBAそのものの価値だけで決まるものではないと思います。

MBAを取れば何者かになれる。

転職に必ず有利になる。

人生の答えが見つかる。

そう期待していると、現実とのギャップに失望することがあるでしょう。

MBAは、人生の正解をくれる場所ではありません。

けれど、

自分で考える材料を増やす。

今までとは違う視点に触れる。

自分のキャリアや価値観を見直す。

そんな場所にはなり得ます。

振り返ってみると、私自身も、入学前に想像していたものとは違うものを持ち帰りました。

だからこそ、これからMBAを考えている人には、

「MBAに価値があるか」ではなく、「私はそこで何を考えたいのか」

を、一度自分に問いかけてみてほしいと思います。

その問いに向き合うこと自体が、後悔しない選択への最初の一歩になるはずです🌿🌿