社会人でも簿記2級は合格できる。
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社会人の簿記2級独学法 ― 3級から再スタートする勉強の工夫

社会人になってから「もう一度簿記を勉強しよう」と思ったことはありませんか?
私は、簿記2級を取得する数年前に簿記3級を取得しましたが、2級に挑戦するとき3級の内容はすっかり忘れてしまい、気づけば仕訳すら怪しい状態に…。それでもキャリアや進学を考える中で「やっぱり簿記2級は必要だ」と思い立ち、再挑戦を決めました。

ここでは、私自身の独学記録と、失敗・工夫から学んだことをシェアします。同じようにブランクを抱えて再スタートする方の参考になれば嬉しいです。

過去のブランクと不安

「3級を持っているから、2級もなんとかなるだろう」――最初はそんな軽い気持ちでした。
ところが、テキストを開いてみると衝撃。
仕訳の基礎や全般の知識はほとんど頭から抜け落ちていて、基礎をすっかり忘れてしまっていました。

簿記3級と2級は、おおきな壁があります。まず、問題の内容がより深くなり、商業簿記だけでなく工業簿記も範囲になってきます。3級と同じ勉強密度やスピードではとてもではありませんが、合格は遠い…

さらに社会人として忙しい中、学習時間を捻出するのも一苦労。「平日は疲れて手が回らない」「休日は、平日の疲れを回復するのでやっと…」。結果、勉強が進まないままテキストが埃をかぶってしまう時期もありました。そんな状態ではもちろん勉強もまったくおもしろくなく・・・という悪循環が続きました。

再挑戦のきっかけ

そんな私がもう一度本気で簿記2級を目指そうと思ったのは、キャリアの幅を広げたいと考えたからです。
MBAを志す上で「会計の理解はビジネスの基礎力」だと痛感しました。日頃の業務では、財務諸表や勘定科目にはまったく関わらない日々。

でも、経営を知り数字で会社を語れる人材になるためには、簿記2級レベルの知識は必須だと感じたのです。

独学での工夫と勉強法

最初は「王道」と呼ばれるテキストを手に取りましたが、難しく感じてすぐに手が止まってしまいました。そこで、自分に合った教材を改めて探すことにしました。

① 教材選びは「相性」で決め、浮気しない

私が選んだのは次の2つです。

  • スッキリわかるシリーズ:解説がやさしく、イラストも多くて読みやすい
  • 過去問題集:早めに取り組むことで「試験本番の出題形式」に慣れられる

簿記の教材は本当に種類が豊富ですが、結局のところ大事なのは「最後までやりきれるかどうか」だと思います。200時間以上も付き合う教材ですから、直感的に「これで勉強したい」「これなら続けられそう」と思える一冊を選ぶのが一番です。

SNSや口コミに惑わされる必要はありません。実際に本屋で手に取り、自分の感覚で「これだ」と思える教材を選ぶことをおすすめします。

そして、一度選んだら浮気せず、その教材を信じてやり抜くこと。どのテキストも専門家が工夫を凝らして作ったものです。表現の違いはあっても、伝えたい本質は変わりません。成果が出ないときに教材のせいにするのではなく、一冊を信じて徹底的にやり込む姿勢こそが合格への近道だと感じています。

2025年度版 スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記|TAC株式会社 出版事業部

2025年度版 スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記|TAC株式会社 出版事業部

② 学習を小さく分解する

私は学習を進めるとき、「今日は商業簿記の仕訳を10問だけ」「今日は工業簿記の原価計算を1パターンだけ」と、細かいToDoに分解するようにしています。あとはそれを一つずつこなしていくだけ。シンプルですが、確実に積み上がります。

味気なく聞こえるかもしれませんが、ここで役立つのが以前の記事でも触れたポモドーロ法です。25分間集中して取り組み、5分休憩をはさむインターバル学習法ですが、このリズムが想像以上に効果的。

「25分では短すぎるのでは?」と思うかもしれませんが、1時間を確保するのは難しくても25分なら取り組める人は多いはずです。まずは25分間だけ手を動かしてみる。そうすると、不思議と次のステップが自然に見えてきます。

小さな25分の積み重ねが、最終的には大きな学習時間へとつながっていく――やってみるとその威力を実感できるはずです。

③ ご褒美システムで習慣化

勉強した後はコーヒーやお気に入りのお菓子を用意して、小さな達成感を味わうようにしました。モチベーション維持には意外と効果的です。これはよく言われることですが、本当に実感します。

「将来の達成感より、目の前の達成感」

近い将来目標達成した自分も大事ですが、何より今頑張っている自分を褒める時間を作りましょう。

途中でのつまずき

もちろん順調ではありませんでした。工業簿記のCVP分析や標準原価計算、連結会計では何度も何度もつまずき、「やっぱり無理かも」と思ったことも。

仕事では財務諸表にはまったく携わらない、社長やCFOが説明する業績報告もわかったように聞き過ごす毎日。なんの素地もない私にはやっぱり無理だったんだと自己嫌悪になることも。


でも、その都度「解けない問題を放置せず、基本の仕訳に立ち戻る」ことで、少しずつ理解が積み上がりました。

振り返り

簿記2級の学習を通じて学んだのは、完璧に進めようとしないこと。ブランクがあっても、小さく積み上げることで確実に前に進めます。

今日できなかった自分を責めたりしないでください。できなかった分は、明日やればいいですし、週単位で調整する柔軟性は資格勉強では重要になってきます。

まとめ

社会人が簿記2級に挑戦するのは簡単ではありません。時間の制約もあれば、ブランクによる不安もあります。それでも、工夫次第で学習は続けられる。

  • 自分に合った教材を見つける
  • 学習を小さく分解する
  • ご褒美で習慣化する

これらを実践すれば、ブランクがあっても再挑戦は可能です。
もし同じように悩んでいる方がいたら、「できない」と思ったら、たくさん休憩して、小さな小さな一歩を踏み出してみてください😊

簿記3級から数年ブランク…社会人が再スタートで2級に挑戦した記録 – Learners & Careers