近年、
「質問しても大丈夫だよ」
「どんな質問も学びになるよ」という言葉が、
学びの場のスタンダードのように語られるようになりました。
その優しさは確かに救いになることもありますが、実際には “質問の質” によって場のエネルギーは驚くほど変わります。
MBAのケース討論でも、職場の会議でも、研修や勉強会でも──
質問は「場を動かす力」を持つ。
だからこそ、どんな質問を“投げるのか”はとても大切だというのが私の考えです。
私の考え|質問は自由であっていい。でも、利己的であってはならない
「質問は自由にしていい」
その前提自体は、美しくて健全です。
しかしその“自由”を、
自己語りや承認欲求で私物化してしまう人がいるのも事実です。
◆ OKな質問(=場を前に進める問い)🙆
その場にいる人たちの理解を深める質問
議論を整理し、方向性を整える質問(初歩的でも良い)
自分の気づきを差し出し、話題を“前へ”進める質問
◆ NGな質問(=場を消耗させる問い)🙅♂️
自分の境遇や体験を持ち出し、文脈を奪ってしまうもの
講師や説明者を困らせるだけの“自己満足の質問”
そもそも前提が間違っている質問
承認欲求が中心にある質問(MBAでも散見される)
「どんな質問でも良い」という言葉は、“誤解されやすい優しさ”でもあります。
質問は自由でいい。でも、その自由は誰かの学びを奪ってはならない。
Renoメソッドとの接続|「質問」とは、内省のアウトプット
Renoメソッドの基本姿勢はシンプルです。
外に出す前に、一度だけ深呼吸する。
内側を整えてから、外側の世界に手を伸ばす。
質問も同じです。
衝動ではなく、小さな内省を通して「他者につながる形」に変わる。
✔ Renoメソッドが考える『質問の3ステップ』
1. Pause:立ち止まる
→「いま質問したい理由は、自分のため? それとも場のため?」
2. Align:意図を整える
→「この質問は、何を深めることができるだろう?」
3. Release:場に投げる
→ 他の参加者の視点や気づきを呼び込む“開かれた問い”にする
この3ステップだけで、質問のクオリティは驚くほど変わる。
良い質問の特徴|場の“可視化”を助ける
良い質問とは、議論の霧を晴らし、道筋を照らしてくれる質問です。
- 隠れた論点を浮かび上がらせる
- 議論を整理し、次のステップを提示する
- 多様な視点を巻き込み、理解を深める
- 「私はこう理解していますが正しいでしょうか?」と自分の思考を差し出す
MBAのケースディスカッションでは、この力が特に重宝されます。
◆ 例
「この戦略を選ぶ前提条件を、もう一度整理してもらえますか?」
→ 深める質問
「私は〜と理解していますが、補足はありますか?」
→ 整える質問
悪い質問の特徴|場を“私物化”してしまう
悪い質問には共通点があります。
- 「私はこういう経験があって…」と必要のない自己語りが始まる
- 講師や説明者をただ困惑させるだけ
- 結局何が言いたいのかわからない
- 自分の状況にしか関係しない
- 承認欲求が丸見えの“自己顕示質問”
そして──
謙虚さを忘れた瞬間、どんな質問も光を失う。
Renoメソッドでは、これらを
“学びの芽も育たない、乾いた土壌”
と呼びます。
問いは“人との距離の取り方”でもある
良い質問は、相手の思考にそっと灯りを置く行為です。
過度に踏み込みすぎず
距離を置きすぎることもなく
相手の輪郭を尊重しながら、理解のための光を届ける
自分の内側にある「なぜ?」を静かに磨くと、
自然と、優しい問いが生まれます。
🔍 まとめ|質問力とは、優しさと知性の掛け算
質問は、攻撃でも自己主張でもありません。
場を整える技術です。
Renoメソッドが重視するのは、
「自分の意図を一度見つめてから外に出す」という姿勢。
- 良い質問は、みんなを前に進める
- 悪い質問は、自分だけを前に進めてしまう
そして最後に──
質問とは、誰かの思考にそっと灯りをともす行為。
自分だけに向けた光では、場は明るくならない。


