「今さら簿記を学ぶ意味はあるのか?」
そう感じたのは、転職をした直後のことでした。
MBAを志したとき、「会社を理解するには、まず“数字”から」と気づき、私は簿記に再挑戦しました。
この記事では、社会人が簿記を学ぶ本当の意味と、キャリアアップにつながる理由、そして効果的な学び方をまとめます。
💡 社会人が簿記を学ぶべきなのか?
答えは、YESです。
理由はシンプルで、数字に強くなくても「理解しようとする姿勢」そのものが、どんな業界でも信頼につながるからです。
簿記は“経営の共通言語”である数字を読み解く最初のステップ。
ただし、簿記2級でカバーできるのは「会計(商業簿記)」と「管理会計(工業簿記)」の2領域です。
経営を理解するには、ここにファイナンスや企業価値評価(エバリュエーション)など、より広い視点が求められます。
それでもなお、簿記を学ぶ意義は大きい。
なぜなら、数字を理解しようとする姿勢そのものが“リスキリング”の象徴だからです。
そして、経営・ビジネスの世界では「共通言語=数字」を理解できる人こそが、信頼されるのです。
📈簿記がキャリアアップにつながる3つの理由
意思決定力が上がる:経費・利益構造を理解し、判断の質が変わる
転職・昇進に有利:特に事務職・営業職・管理職では“数字に強い人材”が評価されやすい
副業・起業にも役立つ:損益計算や原価感覚が身につき、経営判断が早くなる
たとえば、
営業職 → 利益率で話せる営業は上司や経営層から一目置かれる。
管理部門 → 経営数字を“読む力”が信頼のベースになる。
起業家 → 自社のP/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)を自ら読めることは強み。
投資家・株主 → 企業の財務体質を理解し、投資判断の精度が上がる。
つまり簿記は、すべての社会人に必要な“思考のOS”とも言えるのです。
👍社会人が簿記を学ぶときのおすすめステップ
Step1|簿記3級で「会計の言語」に慣れる
まずは基礎となる3級で、仕訳や財務諸表の構造を理解しましょう。
Step2|簿記2級で“経営を理解する数字”を磨く
原価計算や損益分岐点など、経営判断に直結する知識を身につけることで、仕事の見え方が変わります。
Step3|学習を“習慣化”する
毎日15分でもOK。学習時間を可視化し、小さな積み重ねを継続することが合格の近道です。
💡 おすすめ教材
『スッキリわかるシリーズ』:初学者にもやさしい構成
2025年度版 スッキリわかるシリーズ スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 | 資格本のTAC出版書籍通販サイト TAC出版オンラインストア
『本試験予想問題集』:得点力を磨く実戦トレーニング
2025年度版 スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集 | 資格本のTAC出版書籍通販サイト TAC出版オンラインストア
⚠️ 社会人が簿記を学ぶうえで注意すべき3つのこと
①資格取得を“ゴール”にしないこと
 合格して終わりではなく、仕事に活かしてこそ意味があります。
②数字を“読む”練習をすること
 会議資料やIRレポートを見て、企業の“お財布事情”を読み解く習慣をつけましょう。
③「知識」と「理解」を混同しないこと
 知識は覚えられるけれど、理解は使ってこそ定着します。
実は私自身、簿記2級合格後に数字を“読む”練習を怠ってしまい、MBA入学後少し苦労してしまいました。
ただ簿記の基礎があったことは、会計学の講義を受けていて最中、「本当によかった」と感じたのも事実です。
簿記は、企業のお財布事情を理解する“透視メガネ”のようなもの。
一度身につけ実践に移せば、どんな業界でも見え方が変わります。
🌿 Reno’s note_簿記は“キャリアを自分でマネジメントする”力をくれる
簿記は単なる資格ではありません。
ビジネスを数字で理解し、語れる人になるための第一歩です。
転職・起業・リスキリング。どの道を選ぶにしても、簿記はその“共通基盤”となります。
そして何より、簿記を通して「数字で考える自分」を育てることが、
これからのキャリアにおいて最も費用対効果の高い自己投資だと、私は思います。
簿記を学ぶことは、数字と向き合うこと。
数字と向き合うことは、自分の選択と向き合うこと。
忙しい社会人こそ、もう一度「基礎」を学び直す時間を持ってみてください。
	
	


